
はじめに
コアラの写真を模写していると、
体の表面の色味が場所によって若干違っていることに気がつきました。
全部が灰色というわけではなく
光が当たれば明るく、影は暗くなっています。
しかし
光が当たっていても真っ黒な箇所があるのです。
単純な物体の反射とは違うみたいだ!
この見え方めっちゃ気になる!
というわけで動物の体毛について調べて、描き表し方を考えてみました!
動物の毛や色の検証
(写真はフリー素材から使わせていただいています)
羊の毛刈りビフォーアフター


しまうま


キリン


しろくま


【おまけ】
スフィンクス(猫)も調べてみました。毛が無いように見えて実はうっすら、びっしりと産毛のような短い毛が生えています。他の猫と比べて、毛の厚みによる色の見え方の変化がない代わりに、体にできるシワが目立ちます。シワの隙間にできる濃い影と、光を反射して骨格そのものが浮かび上がってくるところが特徴的です。
ハダカデバネズミも調べてみました。他のネズミと比べて毛がほとんどない理由は、地中の気温が年中保たれており、体温の変動が少ないため、体毛による保温の必要性が低いからだそうです。
さて、いろいろな動物の画像を見てみましたが、共通していることをまとめます
まず地肌があり、その上に毛がびっしり生えています。
そして対象との距離によって、毛がどのように見えるかが変わります。
遠く離れて見た時は、ぼんやりと色が一色に見えます。

動物園で動物を見るくらいの距離感の場合はどうでしょう。
浅い角度から見た時は、毛の先の方の色が密集した色が見えます。が、地肌の色までは見えません。身体の凹凸による光の反射や影も確認できます。

手で触れられるくらい近くで見た時、身体の湾曲やそれを見る角度によって、毛の根元の色まで見えたり、地肌の色が見えたりします。
毛自体が落とす落ち影の影響もあるかと思いますが、コアラの体の一部が極端に黒く見えたのはこのためだと考えられます。

身近な物で似た原理
カーペット


毛先の方向によって色が変わって見えます。ころころローラーを転がした跡なんかがそうですよね。あと、家のカーペットに指でお絵描きとかしてました。
ヘアブラシ


1枚目はシマウマやキリンのたてがみっぽいです。濡れた状態は先ほどの写真のシロクマっぽさもあります。2枚目は細かい毛が絡まって、羊のような毛質です。
歯ブラシ


光の当たり方はもはや箱です。光源に一番近い面が一番明るく、側面が暗くなっています。
箱と違うのは、毛束の隙間に濃い影があることです。
この溝の深さは、毛刈り前の羊に似ています。
動物の毛はある程度伸びると、まとまりができるようになっているのでしょうか。ある程度の基準は動物の毛質や環境によって変わりそうです。
しかし毛が長くてもシーズー犬のようにさらっさらな動物もいます。これは人間が手を加えているからなのか??疑問は深まります。((+_+))
描き表し方
実際の見え方に即して描くと、それらしく見えます。
遠距離:一色ベタ塗り、大まかな陰影を描きます。彩度低め、明度高めにすると立体感が出ます。空気遠近法の原理です。

中距離:遠距離の時よりも毛並みをくっきりと描きます。陰影も比較的細かく。

近距離:まず地の色を塗ってから、一本ずつ毛を生やすように描きます。毛がまばらな箇所と密集している箇所に気をつけて、ひたすら毛の色を塗っていきます。




さいごに
動物の毛の色の見え方と、身近なものを調べ、それらの描き表し方を考えました!
細いものが集まってできた物体であれば、応用が効きそうです
描くたびに発見があって本当に楽しい!
これまでの知識と繋がったり深まったりして更に楽しい!
これからもどんどん描いていきます!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!