はじめに
さいとうなおき先生の気まぐれ添削講座が大好きで、毎日観ています。
魅力的な絵作りに必要な技ってこんなにあったんだ!と吸収し、実践する日々です。
上の絵は、背景を描くトレーニングと、ファンタジーの世界観を作る練習で描いているシリーズのうちの1枚です。
自分も添削してもらっているつもりで描きました。
奥行きのある、見応えのある絵にしよう!と工夫した点を紹介します。
少しでも絵を描いている方に参考していただければと思います。
【ソフトと筆】
メディバンの「端末サイズ」のキャンバスで描きました。
線画は筆(不透明度100%)
べた塗りは丸ペン(不透明度100%)
影の塗りは鉛筆(不透明度をその都度調整)
ラフ
色付きの完成像をイメージするようにしています。
しゃしゃーっと鉛筆で人物やものの配置を決めてから、淡い色で配色を決めます。
色同士がぶつかってないか、目立ちすぎているor沈んでいる色はないか、確かめることができます。
また、全体像を元に描き込み、細かな色選びができるので、描きながら色や配置を考えるよりも時短です。
線画と塗り
近景
近景にあるのは、女の子・ドラゴン・花(中景に被せる)・草原
まず目に飛び込んでくる部分なので、描き込みを丁寧に。
花の花弁一つ一つの影までしっかり資料を見て。
※花は、ノースポールという花を元に描きました。
花弁の枚数を調べましたが(多数)とのことで、枚数は気にせず花全体のバランスを見ながら描くことに。
塗りは
①ベタ塗り
②大まかな陰影
③明るい中でも特に明るい部分、暗い中でも特に暗い部分を塗る。
という順で塗っています。
⭐︎明から暗への変化がのっぺりしないように
⭐︎影の中でも反射光で複雑に
を意識して塗ります。全体を見て、変化の乏しい箇所に反射光を入れて複雑にします。
中景
中景にあるのは、近景の奥の草原・家・手を振る家族です。
近景よりも描き込みは少なくしています。
線を使わず、色で輪郭をとり、大まかな陰影をつけます。
家はヨーロッパの木造建築をイメージ。
風景の中で目立たせるために赤い屋根にしました。赤い屋根って主人公の家っぽいですよね。
遠景
こちらも線画はなし。
①右上から左下に向かって、青と白のグラデーション
②上から不透明度50くらいの鉛筆で淡い青を重ね塗り。色の変化にムラをつける。
③白で雲をかく
④雲の陰をつける
⑤指先ツールや、不透明度100%のガサガサ筆で形をランダムにしながら、全体を整える
空、雲、山、描き込みはざっくりと、陰影で立体感を持たせる。
山は空気遠近法で、空の色と近くする。
仕上げ
全てのものが空の色の影響下にあるので、空色をスポイトで取り、少し明度と彩度を下げて、人や物にぽんぽんと置いていく。
暗くなりすぎるところは不透明ブラシで削る
全体に画用紙のテクスチャをオーバーレイで乗せます。
四角にバシッと区切られているより、ぼやけている方が雰囲気でるかな…ということで
すべてのレイヤーを統合した後、少し縮小して画面端をランダムに削りました。
視線誘導
少しでも視線を絵に留められるよう工夫しました。
・手前の女の子は目立つ色になるよう、周りの景色の彩度を調整。
・雲の配置を集中線のようにして、女の子へ視線を集める。
・女の子を画面の縦半分くらいの大きさに。
・その女の子の横に細かく描いた花を置くことで、第一印象をさらに強く。
・女の子は何を見て手を振っているんだろう?
→視線の先に家と、よく見ると家族らしき人。
・女の子の頭にはドラゴン。
・ドラゴンと共存するファンタジーの世界なのかな?
おわりに
SNSでたくさんの絵をスクロールで見ている中で
「これすごい!」とタップ・注視してしまうことってありますよね。
魅力的なイラストには、目を離させない工夫がたくさん隠れています。
今回は、奥行きを意識した絵作りとして
●近景・中景・遠景に分ける
●線画と塗りを遠近で調整する
●視線誘導を意識する
などを工夫しました。
しかし絵に注目させる技は、作風やテーマや見せ方によって、様々です。
「なんかこの絵いい‼」の理由と技をインプットし、技をどう使おうか考え、実践して振り返ってみる。
これを今後も毎日続けていきたいと思います。